敬称は省略してます。お許しあれ。

歌舞伎 十月花形歌舞伎 通し狂言「木下蔭真砂白浪(このしたかげまさごのしらなみ)」 京都南座 01/10/9
1999年から3年連続して秋に京都南座で演じられる花形歌舞伎。いつも中村翫雀・中村扇雀・中村橋之助・市川染五郎の4人を中心に、伝統ある歌舞伎を新しい現代的な解釈で演出した(スピーディで素人が見てもわかりやすい)歌舞伎です。つまり、もともと古い時代からある古典的な歌舞伎なんだけど、長い間、上演されてこなかったから、お手本があんまりなくて、毎回この4名の役者さんが演出を考えている、いわば古くて新しい歌舞伎です。そういう意味では、「ええ?歌舞伎〜ぃ?見てわかんのぉ?あんなん年いってから見るもんちゃうのぉ?」とお考えの若いお嬢さん、お兄さんにも「まあ、ちゃんとわかるからさ、そういわずに見て損はしないよ」とオススメの作品です。

この十月の花形歌舞伎の何が嬉しいって、解説するイヤホンなしでも筋がわかりやすく(勿論イヤホンは貸し出されていますが、私には必要なかったです)、そして毎年、京都からの発信で、人気があれば各地で演じられる、つまり京都で一番最初に見れるっていうのが何より嬉しい。
だって、歌舞伎はいつだって東京の歌舞伎座や新橋演舞場などが中心で、見たいなーって思う歌舞伎はいっつも遠くに行かないと見れないのに、まず関西でやってくれるっていうのが嬉しいじゃないですか?ってこれは関西在住の私の意見ですね。(こんなことを言うとじゃあ、12月の吉例顔見世は?東西のすっげー役者が大勢京都に集まるじゃん・・・って言われそうだけど、高いんだチケット代・・・だから見にいったことありません・・・見るんならイイ席で見たいっていう私のポリシーがあって・・・おごっちゃるという人がいれば行くんだけど・・・爆)

「通し狂言」って何じゃい?って思う人いるかもしれません。「通し狂言」っていうのは起承転結を持ってる話で、これを全部演じてくれるものです。つまり、話の最初っから最後まで演じてくれるんですね。歌舞伎は有名な幕や象徴的な幕だけを演じる「みどり狂言」っていうものが多いので、3年連続して通し狂言を選んでくれていることが、本当に嬉しい。

歌舞伎のタイトルってわかりにくいですよね?私もよくこれって何?って思います。今回のタイトルも然り。しかし今回のタイトルには「白浪(しらなみ)」という文字がついています。「白浪」とはつまり「泥棒」のことで泥棒が主人公になっているお話です。そして今回の主人公は橋之助演じる、ご存知「石川五右衛門」でございました(ただし、斬鉄剣は持っておりませんので、あしからず・・・笑)。

で、今回のお話の内容は、有名な石川五右衛門と豊臣秀吉、蜂須賀小六らのお話を元につくられた、複数の狂言を1本の通し狂言の中に組みこんでいます。(歌舞伎では、登場人物の名前は現実にいた人の名前をもじった名前とつけるので、秀吉は久吉という風に名前は異なりますが、モデルはちゃんとあるわけです)


で、五右衛門(橋之助)の有名な台詞、京都の南禅寺山門から「絶景かな〜、絶景かな〜」や宙吊りもあります。女盗賊お峰(扇雀)の忍術あり、五右衛門が狙う名刀の持ち主でお峰が惚れ込む与六(翫雀)の宙づりあり、五右衛門のライバル久吉(染五郎)の男前な演技もあります。とにかく、からくりもたちまわりもコミカルな演技も、まじなかっこいい演技もあってあっというまの4時間でした(もちろん休憩が何回か入りますが・・・笑)。

今回、私は某筋から、最前列の花道近くという、すっげーイイ席を手配してもらったので、扇雀さんの五右衛門の妹を演じているときのポタポタおちる汗のしずくとか、橋之助さんの五右衛門が貴族に成りすましている時の直衣の裏にもきっちり美しい刺繍が施されていることとかが、よぉく見えました。こういう美味しい思いをすると、歌舞伎鑑賞ってやめられないんですよね(爆)。惜しかったのは、最前列だったので、花道から宙吊りされる五右衛門の橋之助さんの表情が見えなかったことでしょうか?(欲張りすぎです、私)。宙吊りを楽しむには2階席の花道近くがベストビューかもしれません(笑)。1階席だったら、5〜7列めの6〜11列くらいがベストビューな席なんだろうなーと思いました(これは京都南座の場合)。扇雀さんの女形姿はすっげー美人だし、橋之助さんの色悪はこれまた格好良かったっす。

とにもかくにも、毎年思うことですが、来年も秋の花形歌舞伎は見にいくぞ!と思う私でございました。







                         
















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