「ハムレット」

劇団四季 「ハムレット」    2003/7/11(地元の文化会館)
観て来ました。劇団四季創立50周年記念「ハムレット」。
正直にいいましょう。もしハムレットが大阪とか名古屋とか大都市で演じられていたならば、わざわざ観に行ったか?と問われたなら、答えは否です。なぜなら、私は悲劇が好きではないから。暗いお話は嫌いなんです。ドラマでもドロドロした愛憎劇とかだったら見ないし、人が死んだりするのがわかっている場合はほとんど見ません(といいながらタイタニックは観に行った覚えが・・・ゲフゲフ・・・)。

それなのにどうして観に行ったのか?大きな理由は二つ。
@地元でやってくれる(車で15分くらい?)
Aハムレットを演じるのが下村さん
これにつきました。たぶん電車でしか行けない会場だったり、下村さん以外の役者さんがハムレットだったら観にいかなかったような気がします。
という理由で見に行こうと決めた私、四季の会員優先予約の時にチケットGETしたので、最前列出来ました♪

会場の隣に駐車場があるのですが、この駐車場はそう広くないので、帰りはいつも渋滞。駐車場を出るのに一苦労するのが目に見えていたので、開場時間より30分前に到着して駐車場の入り口から一番近い場所をGET(おかげで帰りは極めてスムーズでした♪)。
会場について本日の終演時間を確認すると18:30始まりの21:45終演・・・長い!長すぎる!田舎なのに〜!近くに電車もないしバスもそんな時間にはねぇよ!って感じでした。ジモティで車に乗ってきた私みたいな人にはノープロブレムでしたが、終演後の会場前は予約されたタクシーでいっぱいでした(苦笑)。都会ならこんな時間でも全然大丈夫なんでしょうけどね。
まぁ帰りの時間はともかく、古典で3時間、休憩が20分あっても耐えれるのかどうか非常に不安でした。ミュージカルの3時間は結構あっという間に思えるんですけどね。ストレートプレイでしかも悲劇で3時間、寝てしまったらどうしよう?と不安に思うのは仕方ないでしょう。

開場後、いそいそとパンフレットを購入し、とりあえず「ハムレット」のあらすじを読む。ハムレットといえば、かのシェークスピアの
4大悲劇「マクベス」「リア王」「ハムレット」「オセロ」の一つ(「ロミジュリ」は入ってないのね・・・)ですが、悲劇というだけで回れ右してしまう管理人はどれも読んでいません。なので内容を知らなかったんですね。いや「生か、死か・・・」とか「尼寺へ行け」とかの有名な台詞は聞いたことあったんですけども。

簡単なあらすじ
主人公はハムレットはデンマークの王子。父王が急死、母はその2ケ月後に、父の弟(ハムレットの叔父)と再婚し、この叔父が王になる。ハムレットの親友ホレイショーが、亡き王の亡霊が出るという報告をハムレットに伝え、ハムレットが真実を確認に向かう。亡霊はまさに父王で、叔父に毒殺され命も王位も妻も奪われたから復讐をハムレットに命じる。叔父に対する父殺害疑惑と再婚スピード速すぎの母に反発を感じていたハムレットは即復讐を決意。愛するオフィーリアにふられたから狂気してしまったというふりをして、復讐の機会をうかがう。ハムレットの狂気を疑っている叔父と、オフィーリアの父ポローニアス。ハムレットの真意を母との会話から聞き出そうとするが、会話を盗み聞きしていたポローニアスを叔父と勘違いしてハムレットは刺殺する。命の危険を感じた叔父王はハムレットをイギリスへ追いやり、イギリスで暗殺しようと企むが失敗。父を殺され悲しみのあまり狂気におちいったオフィーリアの元にオフィーリアの兄レイアーティーズが留学中のフランスから戻ってくる。父を殺し、妹を狂気に追いやったのがハムレットと知り、復讐しようと決意する兄。そしてオフィーリアは狂気のまま、小川に入り不慮の事故死してしまう。オフィーリアの葬儀の最中に、叔父王からの暗殺から逃れたハムレットが戻る。オフィーリアの最後に悲しむハムレット。ハムレットを憎むレイアーティーズに叔父はハムレットとの剣の試合をすすめる。レイアーティーズの剣には毒、ハムレットが喉が渇いたときに渡す予定の杯にも毒という二重の罠をしかける。ハムレットはレイアーティーズの剣で傷つけられ、また毒が塗られているとも知らずにその剣でレイアーティーズを傷つける。ハムレットの勝利を祝い、毒酒の入った杯を煽る母。すべての企みを瀕死のレイアーティーズがハムレットに伝え、叔父王をついに倒すハムレット。すべてを見取った親友ホレイショーが、この悲劇を残った人に真実を伝えるために生きるというお話。

感想
いや退屈するんじゃあ?寝てしまうんじゃあ?と思っていましたが、なんのなんの、テンポがよく、哲学入っている?薀蓄語ってる?という難しい言葉も入った長い長い台詞をきっちりと発音する下村さんの演技に目を奪われて、すごく楽しかったです。悲劇なので内容が楽しいというわけではありませんが、見ごたえのある内容でした。
大根役者のことをハム役者というのは、大根役者ほどハムレットを演じたがる?とか大根役者の演じるハムレットほど観辛いものはないからとか聞いたことがありますが、さもありなん。実力のない役者さんがハムレットを演じたなら、さぞかし退屈だろうなぁと思いました(笑)。

ハムレット→序盤の喪服姿のハムレットが格好いいです。マントをひるがえす様、スマートな後姿・・・最高です。いや序盤以外は終盤がくるまでボロボロの服装(狂気を演じている時)なので、余計に(笑)。父を殺されたことに憤りを感じるのはよくわかります。喪もあけないうちに叔父を再婚してしまった母に対する失望もわかります。でも、狂気を演じるためとはいえ、どうして愛しいと思っていたオフィーリアにあのような態度をとるのかが理解できません。っていうか女性そのものに不信感を抱いてしまったから「尼寺へ行け」の台詞につながるのか?と思うのですけども。すべてがすべて母のような女性ばかりじゃあないのになぁ。やっぱハムレットってマザコンでファザコンだったわけ?とか思ってしまう私は悪いコです(爆)。

オフィーリア→すげー綺麗でした。純粋でした。それ故にマジで狂気してしまった後のオフィーリアがめちゃくちゃコワかったです。気の毒としかいいようありません。しかしながら好ましく思っていたハムレットに父を殺されたからといって、あそこまで狂気してしまうってのもどうかな?と思います。フランスにまだ兄さんがいたわけだしね。やっとロンドンのテート・ブリテンで見た絵「オフィーリア」の出典がわかりました。川に沈んでいく(水がドレスを膨らませて・・云々)場面だったんですね。(この絵はロンドン日記3日めからリンクしてます)

レイアーティーズ→父想い、妹想いのいい兄さんです。でもオフィーリアにハムレットとは身分違いだし、お前は嫁入り前なのだから操云々・・・と言い含めるあたりは、もう重度のシスコンにしか見えませんでした(笑)。単純だけど熱血漢でいい男だっただけに王に利用されてしまった気の毒な人です。

叔父王クローディアス→完全な悪役。の割に小心者の卑怯者。どうしてこんな人に母を!というハムレットの気持ちがよくわかります。単に外面がイイ男だったから、その上手い口説き文句に母がよろめいてしまったのでしょうか?兄殺しに罪悪感を感じつつも王位と妻をキープするために甥を殺そうとする根性は見上げたものです。でもこんなことは昔の時代にはよくあったことのような気がします。日本にも下克上って言葉があるくらいですしね。兄の妻への横恋慕はともかくとして、なぜ弟に生まれてしまったのか、自分が先に産まれていたら王位は自分のものだったのにと考えてしまう気持ちはわかるような気がします。勿論だからといって殺人はいけません、殺人は!


というわけで、いろんなツッコミは役者さんの演技にではなく、シェークスピア大先生の原作へのツッコミどころ満載って感じでした。まぁロミジュリでローティーンの二人が出会って1週間かそこらで心中っていうのにもツッコミいれてしまうのと一緒ですな。

ただね、デンマークが舞台だけに、すべての役者さんが暑そうな毛皮ついたコートとか、厚そうな長袖の衣装なんですよ。もうそれだけで役者さんの根性が試されてるって思いました。

なにはともあれ、劇団四季のストレートプレイもなかなか観る価値のある内容でした・・・オシマイ。






         
















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